天井を見上げるように、ベッドへ頭を倒し目を閉じた。
軽く沈み込む布団、背後から微かに感じる甘い香り。


その香りは、雑多な物を忘れさせてくれる。
そんな効力があるのかもしれない。


色々な考えは、溶けるように断ち消え、昨日の彼女だけが脳裡に残る。


もう少し……。
もう少しだけ、待ってみよう。