Blackberry〜黒い果実〜

最後にコンタクトを外して、黒ぶちの眼鏡を掛ける。


「ヨシ……」


鏡を見ながら可笑しなところがないか確認して、そう呟いた。


“鍵はポストに入れておいてください”


メモ紙にそう書いてスペアキーと一緒に彼の枕元に置く。


そのまま彼の寝顔を眺めていると、突然彼が寝返りをうった。


跳ね上がる鼓動。


お願い、起きないで……。