秒針が時を刻む音を聞きながら、気が付けば眠れぬ夜は明けていた。


昨夜の夢のような一時(ヒトトキ)を身体が反芻しながらも、気持ちはその度に罪悪感に苛まれる。


後悔と、後悔したことへの後悔。


何も知らない無邪気な双葉の笑顔が、余計に苦しさを増させる。


なんで、拒めなかったんだろう。


たった一歩。
そう、たった一歩後ろに下がれば良かっただけなのに。