静まり返った部屋でキッチンの蛇口から水が滴る音が私の目を覚ました。


ぼーっとした頭で、蛇口が緩いことを思い出す。


……直さなきゃダメか。


ふと狭い自分の居場所に違和感を感じる。
そして肌に触れる温もりが、自分の横にいる存在を気付かせた。


気を紛らわせるために髪をかきあげ、凝視してしまった視線を無理矢理引きはがし、自分の居場所を確認した。


薄明かりがぼんやりと部屋の全景を映す。