Blackberry〜黒い果実〜

「喜んでもらえて良かったよ、ハンドメイドっつうのかい? この世に二つしかないらしいからよ」


上機嫌をまんま表した顔で得意げに喋る佐藤社長。


その言葉は、まさしく駄目押しだった。
ウインドウに飾られていた一つ。
双葉が身につけていた一つ。


何度も何度も。


“お姉ちゃんのなの”


こだまする双葉の言葉。
間違いない。


今、俺の横にいる彼女は……。


一葉ちゃんだ。