目覚めたのは淡い月の光が差し込む部屋だった。


不定期なリズムを刻む何かが滴る音に起こされ。
甘い香水を感じるベッドに違和感を覚える。


――ここは?


自分の部屋ではないことは、すぐに分かった。
でも、ここが何処なのか?
そして、なぜここにいるのか?


それらを思い出そうとする度に、こめかみの辺りに痛みが走る。


間違いがないのは、自分が酔っ払っていたことと、この部屋の持ち主に助けられたこと。