Blackberry〜黒い果実〜

罪悪感だなんて、……ウソだ。


「ああ」


俺は、一葉を傷つけたくない。
この背中を悲しみで震わせたくない。


カップを二つ手に持って部屋に入ってくる一葉。


「はい」


とびっきりの笑顔で、カップを俺に手渡す。


「ありがとう」


この笑顔を曇らせたくない。
俺は……。



一葉をこれ以上、裏切れない。