早朝の空気を壊さないように、ゆっくりと鍵を差し込んで回す。
控えめに鳴った金属音。


鍵を抜いてドアを開けると、ほのかな甘い香り。


“良かったら使って”


そう言って、鍵を渡してきた彼女。
あれから一週間と経っていないのに、ここに来るのは何度目だろうか?


部屋に入ると、昨日届いたばかりのガラステーブルに鍵を置いて上着をハンガーに掛けた。
そして、同じく届いたばかりのソファに、深く腰を沈める。