アルコール混じりの甘い吐息が私の顔に降り注ぐ。
酔ってしまいそうなその吐息に私の喘ぎ声が混じり合って、対して広くもないこの部屋に満ちていく。


カーテンの隙間から零れる月明かりが彼の朧げなその眼差しを映し出して、これが夢ではないかと疑ってしまいたくなる。


でも、下半身から感じる僅かな痛みと彼のこの体温が夢ではない証拠。




ただ、本能が求めるだけの行為。
そこに彼の意志はないのに……。


一時の満たされたい気持ちが、



  ……私を惑わせた。