Blackberry〜黒い果実〜



ホントニ、ソレデイイノカ?


まるで誰かが問い掛けてくるように、心の奥底から湧いてきた声。


聞こえないように、耳を両手で塞ぐ。
それでも、声は消えない。


カノジョヲダマスノカ?


「ああ、そうだ!」


自分に言い聞かせるように出た言葉。


そうだ、俺は俺自身のために彼女を騙すんだ。
自分を偽り、彼女を騙す。


もう……、声は聞こえなくなった。