「安物だけど、気に入ってるの」


聞いてもいないのに、そう付け加えるお姉ちゃんに違和感を感じた。


って、安物?


確認するように、言葉が飛び出す。


「えっ? なんか、凄くイイ物っぽかったから高いんじゃないの?」


僅かだけど、お姉ちゃんの笑顔が崩れて視線が泳いだ。


「……っ。ああ、貰い物なの。」


取り繕う笑顔。
動揺を隠す、大振りなジェスチャー。


……何か。
お姉ちゃんは何かを隠してる。