更衣室の扉が開き、店内の喧噪が室内に一時流れ込む。
背後に人の気配を感じて振り返ると、そこには薄若葉色のドレスを身に纏った彩香が立っていた。


「あれ? 若葉ちゃん、もう上がり?」


室内に入るなりタバコに火を点ける彩香が問い掛ける。


「はい。明日も仕事なんで」


「そう、大変ね。昼も夜もなんて」


煙を吐き出しながら目を細める彩香に、私服に着替え終わった私がはにかむ。