「…っせめて…認知くらいさせてくれ。

そうしたら金銭的な援助くらいはしてやれる」

「必要ありません。…ああ、でも、そうですね」


久しぶりに感じた彼の感触に身を委ねる。


「もうすぐ、産まれるんです。

そうしたら、一度でいい。会いに来てあげてください」


緩く抱き締め返し、背を撫でる。

彼はこれが好きだから。


「…約束しよう」


その声は、少しだけ震えていた。