桜ノ華




桜の花びらの絨毯もすっかり無くなり、
日差しが照りつけるようになってきた。

そんな季節も、この裏庭は心地いい。

啓志との逢瀬は続いていた。


「桜」

「こんにちは、啓志さん」


呼び方もだいぶ板についたものだ。


「甘い物は好きか」

「え…まあ、嫌いではないですよ?」

「やる」


渡されたのは、有名な高級ショコラティエの箱。


「え? 私にくださるんですか?」

「俺は甘い物が嫌いなんだ」