「ごめんなさい、私待たせた?」 「ううん! 俺が待ちきれなくて先に来ただけだよ、 気にしないで! どっか行きたい所とかある?」 「特には」 「じゃあ今日は俺に任せて着いてきて!!」 歩き出した雅人の隣を歩く。 「あっ」 「?」 「私服かわいい!」 「…ありがと」 こっぴどく振り続けて冷たく当たり続けたのに、 どうしてこの人はまだ私の傍に居るんだろう。 思うけど、聞きはしない。