「ほら、呼ばれてるわよ」 「うー…っ」 雅人は悩んだ末、友達の輪の中へ行った。 私はいつもこうだ。 輪から外れて、少し遠巻きに見てる方が好き。 「…だから友達居ないんだろうなあ」 呟いてから、本に視線を戻した。 「樹ちゃーん!!」 雅人の声に視線を上げると、 海から手を振っていた。 「お土産ー!!」 「見えないわよ…」