「仕度しろ。
こんな時間だから、今日は送るわ」



腕時計に目を走らせた冷泉くんは、サッと教科書をしまって、立ち上がった。



「……え?
時間って?
まだ、全然、勉強してないけど?」



びっくりして時計を見ると、もう、けっこういい時間。



げっ。



あたし、いったい、なにしてたんだ!?



図書室まで来て。



焦るあたしを見下ろし、冷泉くんは、クスっと笑った。



「花ちゃん。
続きは、この次ね」