「バカッ。
知らないっ」



あたしは冷泉くんを突き飛ばして、カバンを引っつかんで、生物室から逃げ出した。



信じらんない。



冷泉くんって、こんな人だったの!?



いつもは、クールで無愛想で、スルーばっかりするクセに。



なんで、今日は……。



優しくて、甘くて、でも、意地悪で……。



あたしがドキドキすることばっかりするんだよ。