「あっ…」


あたしは視線を感じ、その方を見ると…






ママが立っていた。


「ママ…」



あたしがそう言うと、弘毅が後に振り返った。


「あら。彼氏さん?またあんた彼氏作ったの?」

またって…あたしが男ったらしみたいじゃん…


「またじゃない…」

あたしはむきになって、ママに言った。


「まぁいいわ。彼氏なんか作っても、どうせ最後は捨てられるんだから。じゃあね。彼氏さんも」

ママはそれだけ言って、ヒールをカタカタ言わせてどっかへ行った。



弘毅はその場に立ち尽くしてるままだった。





「弘毅…ごめんね…」


あたしは俯きながら言った…


嫌われるよね…




「いいから…顔上げろ」


あたしはいわれるがままに顔を上げた…





そこには…今まで見た事ない、優しい笑顔でこっちを見る弘毅…



「大丈夫だから…俺は…お前を捨てたりしないから。俺を信じろ」




そういって、あたしの頭を優しく撫でてくれた。



あたしは自然に弘毅に抱き着いていた。





弘毅の笑顔が好き…
弘毅の声が好き…
弘毅の温かい胸が好き…



弘毅の全てを感じながら、あたしは…




「信じる…大好きだから…」


そう言った。