帰り道、ずっと無言だった。


いつもなら、こんな雰囲気じゃねぇんだけど…

梓に絶対何かあるな。
何か言えないような事があるのだろう…




「あっ着いた…今日はありがとう…じゃあまたね」


そう言って、手を離しその手で俺に手を振ってきた。


その顔がなんだか…寂しそうで…

俺は無意識に、梓を自分勝手の胸に押し寄せていた。



「何かあったなら、ちゃんと言えよな。俺の立場がなくなる。」


辛い事なら無理に話さなくてもいい…

だからせめて、話せるようになったらちゃんと聞いてやる…


俺はそんな気持ちでいた。