「今日こそ家に遊びに行っていい?」 「だめ!」 優真のこの質問にいつも芹花は怯えている。 芹花は、家にはもちろん家の近くにも優真を近寄らせたことはない。 いつも淡々と短いセリフしか吐かない口が嘘のように、その時だけ饒舌になる。 なので、優真は毎回聞く。 もちろん面白がってだ。 最初は冗談で言ったのだが、 初めて長文を話す芹花を見て、 新鮮すぎて嬉しくて聞いてしまうのだ。