「そんじゃあ、健ちゃん帰ろうぜ」

「うん」

健が鞄の中にノートを詰め込んでいると
窓側の一番前の席にいたショートカットで、
左から右へ髪を分けている女子が
鞄を持ち急いで教室から出るのを見た。

その様子を見た竹内が健に聞いた。

「どうした?」

「いやあ、あの一番前の席の女子って、
なんか静かだよね一日中」

「ああ、小田島さんのこと?

そのことなら学校出てから話すよ」

「えっ、なんかまずいこと聞いた?」

「ちょっと、あとで」