夏服を収める頃には

「そんじゃあ、健ちゃん
帰ろうぜ」

「ああ」

授業が終わり、健がゆっくりと
席を立つと、
淳がダッシュで教室から
出て行った。

あれから健は淳と一度も
目も合わさず一日を終えたので
心苦しかった。

(あんなこと聞くんじゃなかった)