夏服を収める頃には

「嫌!別れたくない!

だって好きだもん、私、健ちゃんのことが!

その人と別れて、健ちゃんが私を好きで、
私も健ちゃんが好きなら何も問題
はないでしょ。

どうしても、どうしても責任を
取りたいなら、私をもっと笑わせて。

もっと楽しませて。

もっと私の話を聞いて、
そして健ちゃんの話を聞かせて」

淳は一呼吸おいてから続けた。

「私が学校で浮いた存在なのは
知ってるでしょ?」

淳は健の手を両手で握りながら
遠くを見つめた。

淳の瞳から一筋の涙がこぼれた。