この世界には2つの種族が存在している。

人間と…吸血鬼。




…吸血鬼は、食欲、睡眠欲、排泄欲の代わりに吸血欲がある、無駄に顔が整った種族。


吸血するための牙と繁殖するための牙があるという噂。


どの吸血鬼たちも、特技があって個性派である。


吸血鬼は30年前、いきなり人間界に姿を現し交易を求めてきたらしい。


最初は人間らはそれはもう、ものすごい怯えっぷりで世間はひどい混乱を起こしていたらしい。


それに対して吸血鬼は紳士的に、冷静に対応して行った。



そして今日に至る…と。



「そのレポート、あまりにも大雑把すぎると思うんだけど。」


顔を上げると、優雅に紅茶を飲みながら吸血鬼であるレムがこちらを見下ろしていた。


レムは人間と吸血鬼のハーフ。小さい頃、私の両親が拾ってきた。レムは人間の食べ物も食べれたし、トイレもした。
だから紅茶も違和感なく飲む。


「…うるさ」


今日の私はなんだかむしゃくしゃしている。


「でもクレハ…まさか一枚で終わらすの?」


ギクッ