───カシャ

少しばかり騒がしい教室に無造作の機械音が流れた。携帯のカメラのシャッター音らしい。

周りの生徒たちはそんな機械音にも気付かずにのんびりとそれぞれの時間を過ごしていた
そんな中で、窓から空を見上げている女子生徒が1人いた。

渡瀬蒼空

友達には蒼空だから空が好きなんじゃないかと笑われるほど空を眺めていることが多い。

蒼空が携帯をポケットにしまい、席につくと2人の女子生徒が駆け寄ってきた。
「また空見てたの?」
2人が苦笑しながらこちらを見ていた

友達の神田春と関谷志穂である。

『だって、今日の空はキレイなんだもん。』
蒼空がそう言うと2人は相変わらずだねとでも言わんばかりの表情をしていた。

そんな会話をしているうちにチャイムが鳴り2人は席に戻っていった。
これがごく普通の日常だった。