結局、5時間目も6時間目も集中できなかった。

あの人は本当に蓮くんなのかな?

そして帰り道。

「はぁ。ストレスで壊れそう。誰か助けてよー。」

なんてつぶやく。

でも、誰かが気づいてくれる分けでもなく、そのつぶやきは空気中にとけていく。

あ、桜公園だ。

この公園は小学生の時によく遊んでいた公園。

つまり、蓮くんとの思い出がたくさんあるところ。

木の枝やらなんやらでドーム状になっているところが私達の秘密基地だった。

「あ、まだ残ってる。まだ誰か使ってるのかな?」

少し覗きこもうとしたそのとき。後ろから。

「合言葉は?」

?!

「ナンバー2 彩…菜だ…ハッ(゜ロ゜)」

あ。反応してしまった。

恥ずか死ぬ。

「あはははははっ‼懐かしいーそれっ」

この声は。さっきの?

「れ、蓮くん?」

「やっぱりここに居た。ここにくれば会えると思ってたんだ。」

優しい笑顔を向けた蓮くんは私に

「会いに来た。」と言った。