最初は葉月さんの言動が理解出来なかったけど、話してみるといたって普通の人。 変わった人という印象は全くない。 プライベートの洋介をあまり知らないけど、私やお姉さん以外の女の人と話している姿を見たのは葉月さんが初めてだった。 だからなのか、私の心の中では危険信号が点滅していた―― 葉月さんと会ってから数日が経った。 「はぁ。」 屋上に来てから何度目かのため息をつく洋介。 『ため息ばかりついてると幸せが逃げていくんだよ。』 そう言った私の顔をじっと見て、目を反らしまたため息をつく。