お互いを見つめ合う2人を見て、直感的にこの2人の間には“何か”あったんだと私はさとった。 と同時に、幸成は私に傘を押しつけると何も言わず走って家の中に消えてしまった。 取り残された私とその女の子。 いたたまれなくなったその子は、泣き出してしまいそうな顔で私に軽く頭を下げると走って行ってしまった。 私も自分の家の方へと歩き出す。 歩き出したものの、私の心はチクリと痛む。 いつもとは違う幸成の表情を見て、 彼女の泣き出してしまいそうな顔を見て、 私の頭の中で警告音が鳴りだす。