それでも、茶化す生徒たちには悪気がないと思うと、なかなか怒るに怒れなかった。



だけど阿多くんは、完全に悪気しかない生意気男子だ。



あの人は許さない、絶対に!



「いやあ、青春だなあ」



授業の度に、何かを察してそう呟く先生たち。



この雰囲気を察するなら、私の気持ちも察してくださいよ。



なんて思っても、私の救世主は誰ひとり現れることがなかった。



ほんとに人ごとだと思ってる、この先生たち。