婿候補… あの方が… そして、春が終わり 夏がやってきた。 鶴の君はずっと気になっていた。 あれ以来あの方にはお会いしていない… 『今日お召しになる着物はどうしますか? 姫様?どうかいたしましたか?』 『いや…』 『まさか、想う方がおいでなのです?』 『ち、違います!』 着替えを終えるとそそくさと、庭に出た。 もう、桜も散り若葉が青々している 『鶴の君! 探しましたよ!』 『母上様! どうかいたしましたか?』 『父上様がお呼びです。』 嫁入りの事だろうか… 大広間に向かった。