それから、ひと月が経った。 女房達が話しているのを聞いた。 『帝、また、ご側室を貰うらしいですよ。 藤原家の方だとか。』 藤原家…… 耳にしたことはあった。 でも、まさか… 今、最も力を持っている家だ。 少し離れている部屋に続々と荷物が運ばれてくる。 部屋は、とても広い。 鶴の君の二倍はある。