松の君の部屋に戻り、我に返る。 本当に中宮に…… 今の中宮はどう思われるか… 左大臣であった父上もいない。 没落した家と思われても不思議ではない。 『松の君様がお呼びにございます。』 お付きの方がいう 『ここが、鶴の君の暮らす所じゃ!』 とても、広い。 豪華な十二単も置いてある。 『こんな所で、住むのですか……』 『嫌か?』 『いや、落ち着かないだろうなと…』 帝との婚儀は、7日後と決まった。 慌ただしく、準備が行われる。