ただ単に、あなたがふさわしいと思ったから』 『男の身なりをしていたのに?』 『だからこそよ! 気になるに決まってるじゃない!』 『初めてあなたに会ったときに、おかしい と思った。 品があって、女性の顔だった。』 『でも…』 『女性でいるべきよ。 何も、家の為に男になる必要はない。』 『決めた事だったのです。』 『鶴の君!あなたは、力をつけなさい。』 『力?』 『そうすれば、わかるはず。』 松の君は何を言っているんだ? その時は、分からなかった。