広間には、帝の大勢のお付きと側室候補であろう女人がいた。
帝を待つが、落ち着かない。
松の君を見ると髪をといていた。
さすが、余裕があるなぁ
と思っていた。
帝がお越しにございます!
そんな言葉が聞こえてきた。
皆、頭を下げる。
一人のお付きが側室候補の一人一人を紹介する。
皆、名門の家だ。
私の番が来た。
『えぇー、五番目の…
『鶴の君です!』
松の君が大きな声で言った。
『あ!鶴の君様、失礼致しました。
鶴の君様は、松の君様のご指名で…』
『私の指名にございます。
鶴の君殿は、私の師です!』
『前に会ったことがあるな?』
帝が、口を開いた。
『あ、はい。お会いしました。』
『あの時と、違う身なりで…』
しばらく、沈黙が続いた。
『あの、帝、どうなされましたか?』
『いや、だいぶ変わっていたもので。』
『では、次参ります。』
そして、側室候補の紹介は終わり
松の君の部屋に戻る。
『あの?お聞きしてよろしいですか?』
『なんじゃ?』
『なぜ、私を側室に?』
『それは……


