時が立った、冬


『母上様、準備が整いました。』






鶴の君は、16歳になった。




これから、姫の裳着の儀が始まる。





艶やかな十二単に身を包んだ鶴の君はとても美しかった。




『そなたも、もう大人じゃ
 嫁入りを決めなくてな。』


左大臣は、真剣に嫁入りを考え始めていた。




『まだ、嫌にございます。』


『いいえ、もう16なのです。
 子を産んでもおかしくはありません。』


『母上様まで……』