一方 鶴の君の父、左大臣は寝込んでしまっていた。 医者からも、長くはないと言われている。 『最後の話じゃ、鶴、女人として生きるわ けにはいかぬのか?』 『父上様、私は男として生きると決めた身 です。』 『そうか…』 それから間もなく、左大臣はこの世を去った。