飲み過ぎたせいか、頭がガンガンして気分が悪い。

せっかくの日曜日なんだから、今日は1日中、ゆっくり寝ていたいのに、部屋の外が騒がしくて目が覚めてしまう。

「……うるせぇな、朝っぱらからぁ」

低血圧の俺は目をこすりながら、部屋のドアを開ける。

「おはよう! ちょうど良かった。常盤、そこのドア開けて」

起きたての俺に声をかけてきたのは、田島 陽平。

会社の同僚でもある彼は、住む場所がなくなった俺を仕方なくこの家に置いてくれた、大家みたいな存在。

玄関先には、たくさんの段ボール箱。

「痛っ!! ……今、この角で足の小指ぶつけたぁ!!」

陽平のそばで嘆いているのは、陽平のいとこの松浦 花。

言われたとおりに、奥の部屋のドアを開けながら、昨夜、陽平に言われた台詞を思い出す。