3LDKの城 ① 途中まで公開


テーブルにひじをついていた俺は、くらくらする頭を手で支えた。

「どちらを選ぶの?」と言うかのような目で、見つめてくる2人。

他に行くところがないと言われたら、断りづらい。

俺が断れば、この2人はどうなるんだろう。

こんな寒い時期に、住む場所がないなんて可哀そうだよな。

……こんな風に思ってしまうから、俺は嫁に浮気をされたんだろうか。

ふと、そんなことを考える。


「空いてる部屋、2つあるけど」

鼻先を親指でかき、悩んだ結果、2人とも置くことにした。

ため息交じりの言葉に、満面の笑みを浮かべる2人。