花の考えていることが全くわからなかった。
首を傾げる俺たちに、花はためらいながらも次の台詞を用意する。
「あ、あたしもこの家に住もうと思ってるのに!!」
目を細めながら、彼女は今にも泣きだしそうな声で叫んだ。
……開いた口が塞がらなかった。
顔を引きつらせながらも、理由を聞いてみる。
眉間にしわを寄せる彼女は、俺のそばで佇んでいる常盤を睨みながら、ゆっくり話し始めた。
花の理由もたいしたことはなく、どこか常盤と似ているものだった。
「行くとこないの!! お金もないの!!」
すがりつくような目で訴えてくる、花。
いとこなだけに、行く場所がない理由は聞かなくてもわかる。



