図々しく茶菓子まで求めてくる常盤とは正反対で、出された茶を静かに飲む花は、うつむき加減で落ち込んでいる様子。
電話での叫び声を思い出した俺は、彼女に何があったのか問いかけた。
だけど、常盤がいるから話しづらいのだろう。
ぎこちなく笑うだけの彼女は、なかなか口を開かない。
仕方ないかと判断した俺は、先に常盤の相談事を済ませようと思った。
「で、相談ってなんだよ?」
視線を変えて、常盤に話しかける。
さっさと終わらせて先に常盤を帰らせなきゃ、花の帰る時間がどんどん延びてしまう。
時間も遅いし、彼女を家まで送ることを覚悟している俺は、自分の自由な時間を失うことも嫌だった。



