「早く帰れって。相談は今度にしてくれって言っただろ?」
シールをはがすかのように、花から常盤の手を放す俺。
「えー!! ここまで連れてきたくせに、それは無いんじゃないのー?」
「お前が勝手についてきたんだろーが!!」
子供みたいに駄々をこねる常盤の相手をしていると、頭が痛くなる。
俺は短い髪の毛をクシャクシャかきながら、必死に帰らせようとしていた。
意地でも座り続ける常盤に、大きな声で怒鳴りながら。
そのとき、だ。
「……っくしゅ」
俺たちのやり取りを静かに見ていた花が、突然、くしゃみをした。
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