3LDKの城 ① 途中まで公開


花はキョトンとした表情で、初めて会う常盤の顔を見上げている。

「……お前、後をついてきやがったな?」

突然、目の前に現れた常盤に唖然とする俺は、我に返ったと当時に、彼の首根っこを掴んだ。

会社を出た俺は急いで駅へ向かい、急行電車に乗って、降りた駅からひたすら家へと走っていた。

もちろん、1人で。

いつも立ち寄っているコンビニも無視するほど、待たせている花のことを心配していたんだ。

だから、花の姿を見つけてホッとした俺は、後ろから通り過ぎていく常盤を見たとき、声も出ないほど驚いた。