花はキョトンとした表情で、初めて会う常盤の顔を見上げている。 「……お前、後をついてきやがったな?」 突然、目の前に現れた常盤に唖然とする俺は、我に返ったと当時に、彼の首根っこを掴んだ。 会社を出た俺は急いで駅へ向かい、急行電車に乗って、降りた駅からひたすら家へと走っていた。 もちろん、1人で。 いつも立ち寄っているコンビニも無視するほど、待たせている花のことを心配していたんだ。 だから、花の姿を見つけてホッとした俺は、後ろから通り過ぎていく常盤を見たとき、声も出ないほど驚いた。