3LDKの城 ① 途中まで公開


だが、その声をもみ消そうとしているかのように、胸元の携帯電話が震える。

「あ、ごめん」

常盤から逃れる俺は、スーツの内ポケットに入れていた電話を手に取った。

片手で画面を開くと、見慣れた名前が点滅している。


「もしもし?」

壁にもたれながら電話に出る。

相手は俺のいとこで、名前は松浦 花。

同い年の女の子だ。

「……しもし」

低い声でボソッと囁かれる。