3LDKの城 ① 途中まで公開


「いや、飲めるよ。……ありがとう」

慌てて違うものを買いに行こうとする常盤を引き止め、渋々、その缶に手を伸ばした。

普段はブラックばかり飲んでいるけれど、甘さ控えめの味が苦手なわけではない。

数回、縦に振り、缶のプルタブを起こす。

何か企んでいるのかもしれないけれど、ちょうどのどが渇いていたときだったから、買ってくれたことは素直に嬉しかった。

「陽平ちゃん、相談があるんだけど!!」

缶コーヒーを全部飲み終わったとき、常盤は「待ってました」と言うかのように両手を合わせてきた。

両目をギュッと閉じて、祈るように頭を下げてくる。

こんな事だろうなと思いながら飲んでいた俺は、ため息をつきながら「やっぱりな」とつぶやいた。