3LDKの城 ① 途中まで公開


1日の業務を終えた俺は、明日の予定をホワイトボードに書いて、手にしているファイルを鍵付きの棚の引き出しに直していく。

背伸びをしながら席へ戻り、帰る準備をしていると、先に仕事を終わらせていた常盤が缶コーヒーを持って、そばに寄ってきた。

「まだ帰ってなかったんだ? 珍しいな」

いつもの常盤ならもう会社を出ているはず。

残業をしているところなど見たこともないし、ましてやこんな風に俺にコーヒーを差し出すなんてことは1度もなかった。

「なんだよ、そんな顔すんなって! あ、もしかして……この味は飲めない?」

何か企んでるんじゃないかと考えて、缶コーヒーをなかなか受け取らなかった俺に、常盤はギクシャクしている。