素っ気なく返していたせいか、常盤は深く話し込んではこなかった。
聞かれたくない話題だっただけに、俺はキーボードを打ちながら心の中でホッとする。
「サラリーマンをしている21歳が、1人で3LDKの部屋を借りている」と聞けば、たいがいの人間は「どうして?」と首を傾げる。
実際に、この会社に入るときも上司はそのことを不思議がっていたし、俺は必然的に家族がいたことを話さなければいけなかった。
別に、離婚したことを隠し通すつもりはない。
だけど、ライバル関係にあたる常盤にそのことを話すのは、なんとなく嫌だった。
常盤の性格からしてきっと面白がるに違いないし、弱味を見せるようなことは言いたくないんだ。



