3LDKの城 ① 途中まで公開


「ねぇねぇ、陽平ちゃんって1人暮らしだっけ?」

椅子にもたれかかって、眼鏡をはずす常盤。

何度も「ちゃん付けで呼ぶな」って言ってるのに、常盤はいつもふざけた口調でこう呼んでくる。

「あぁ、1人だけど?」

パソコンの画面を見たまま、俺は手を休めずに答えていく。

「そうなんだ。部屋は広いの?」

「……一応、3LDK」

無視はしたくないから返事をしているけれど、正直、俺は常盤のこういうところが苦手だ。

仕事中に無駄話はしたくないし、不真面目なペースに巻き込まれるのは勘弁だ。

こんな風にやっていてもちゃんと成績はとれるのだから、本人にとってはどうってことないのかもしれない。

だけど、俺はまだこの会社に来て4ヶ月目の人間。

やっと慣れてきたところなのに、ミスなんかしたくない。