「あの!!」
悩んだ結果、俺は彼の後を追った。
「い……今、花は俺と一緒に住んでます!」
俺は息を切らしながら、立ち止まってくれたおじさんに、花の居場所を伝える。
電灯の明かりで見えたおじさんの姿は、少し痩せこけている感じがした。
「あ、俺……去年の春に離婚して、今はその家に住んでるんですけど。行くところがなくて困ってた花を……うちで置くことにして、こ……この前から一緒に住んでるんです」
花のことだから、きっと自分が住んでいるところなんて知らせていないはず。
言おうか言うまいか、すごく悩んだ。
だけど、娘を心配しない親なんていないと思ったから。



