ムッとしたあたしを見て、彼は身を守る態勢になっていく。 いつものあたしなら1発か2発、グーで殴ってるところなんだけど、今朝はやめておいた。 「……おはよ」 歯ブラシに歯磨き粉を乗せながら、ポツリと囁く。 両腕を顔の前に出していた千草は、拍子ぬけした顔で挨拶を返してくる。 昨夜、あたしは陽平の台詞に傷ついてしまい、途中で妙なテンションになってしまった。 そのことを変に思われているかもしれないから、今朝は極力、話さない方がいいと思ったの。