3LDKの城 ① 途中まで公開


ムッとしたあたしを見て、彼は身を守る態勢になっていく。

いつものあたしなら1発か2発、グーで殴ってるところなんだけど、今朝はやめておいた。

「……おはよ」

歯ブラシに歯磨き粉を乗せながら、ポツリと囁く。

両腕を顔の前に出していた千草は、拍子ぬけした顔で挨拶を返してくる。

昨夜、あたしは陽平の台詞に傷ついてしまい、途中で妙なテンションになってしまった。

そのことを変に思われているかもしれないから、今朝は極力、話さない方がいいと思ったの。